ANAの優良会員の証である、プレミアムサービス。その中でも、スーパーフライヤーズカード(SFC)と呼ばれるクレジットカードを所持すると、半永久的に優良会員の資格を持つことができます。SFCを獲得するためには、年間50,000プレミアムポイント(PP)というマイルとは異なったポイントを貯める必要があります。50,000PPでプラチナ会員、100,000PPでダイアモンド会員となり、SFCを申し込む資格を得ることができます。
50,000PPというと、たくさん乗って毎週末沖縄を往復する方もいらっしゃいますが、昨年の私の場合は、旅程としては4回、フライトは18回で50,000PPを達成しています。
少ない旅行回数で取得できたのは、中国国際航空(エアチャイナ)の格安ビジネスクラスでの旅行で稼げたのが大きいです。プレミアムメンバーの条件である獲得プレミアムポイントの半分はANA便を乗らなくてはならない(プラチナ会員であれば獲得条件である50,000PPのうち25,000PPはANA便である必要がある)のですが、逆に言えば、半分のPPはANA以外のスターアライアンス便で良いのです。エアチャイナの格安ビジネスクラスを使ったメルボルン旅行は1回で約19,000PPを貯めることができました。価格は約14万円でメルボルンの観光も楽しめました。
PP単価とは?
PP単価、それは航空券代に対してどれだけプレミアムポイントが貯まって、1プレミアムポイント当たりのコストのことで「航空券代÷プレミアムポイント=1PP当たりのコスト(PP単価)」となります。
エアチャイナは、ビジネスクラスがとにかく安い価格設定のものがある上、ANAにマイルを加算すれば、プレミアムポイントも貯まることからPP単価を抑えてANAの優良会員になれるのです。
エアチャイナの格安ビジネスでSFC修行はお得か考える
エアチャイナの格安ビジネスクラス(Rクラス)でどれくらいのプレミアムポイントを獲得出来るのでしょうか。また、費用とPPで効率の良い路線はどこなのでしょう?本記事作成時(2017年1月22日)で各行き先のPP単価(=航空券代/獲得PP)を比較してみました。
2月〜7月で航空券代を調べ、最安値となった航空券代でPP単価を計算すると以下の通りになりました。(獲得PPについては一部想定が含まれていますので、多少前後する可能性があります)
目的地 | 航空券代 | 獲得PP (一部想定) |
PP単価 | 備考 |
---|---|---|---|---|
オーストラリア・メルボルン | 141,620 | 19,064 | 7.43 | |
オーストリア・ウィーン | 174,240 | 16,508 | 10.56 | |
ベラルーシ・ミンスク | 178,620 | 14,958 | 11.94 | |
ブラジル・サンパウロ | 520,030 | 32,183 | 16.16 | |
カナダ・バンクーバー | 215,390 | 18,158 | 11.86 | |
デンマーク・コペンハーゲン | 289,420 | 16,108 | 17.97 | |
フランス・パリ | 186,620 | 17,658 | 10.57 | |
ギリシャ・アテネ | 184,900 | 16,758 | 11.03 | |
インド・デリー | 104,090 | 10,808 | 9.63 | |
インドネシア・ジャカルタ | 84,960 | 13,033 | 6.52 | |
イタリア・ミラノ | 173,950 | 17,458 | 9.96 | |
マレーシア・クアラルンプール | 73,480 | 11,683 | 6.29 | |
ミャンマー・ヤンゴン | 92,330 | 9,933 | 9.30 | |
ニュージーランド・オークランド | 195,040 | 21,078 | 10.8 | |
フィリピン・マニラ | 87,040 | 9,383 | 9.28 | |
ポーランド・ワルシャワ | 189,970 | 15,708 | 12.09 | |
ロシア・モスクワ | 141,670 | 13,908 | 10.19 | |
シンガポール・チャンギ | 85,630 | 11,858 | 7.22 | |
スペイン・バルセロナ | 176,050 | 18,608 | 9.46 | |
スウェーデン・ストックホルム | 177,190 | 15,333 | 11.56 | |
スイス・ジュネーブ | 178,130 | 17,658 | 10.09 | |
タイ・バンコク | 81,890 | 10,008 | 8.18 | |
アラブ・ドバイ | 197,040 | 15,575 | 12.65 | 重慶江北国際空港経由 |
イギリス・ロンドン | 187,310 | 17,583 | 10.65 | |
アメリカ・ニューヨーク | 299,290 | 22,008 | 13.60 | |
ベトナム・ホーチミン | 87,150 | 10,158 | 8.58 |
色の着いたものがPP単価が10円以下のもの、その中でもPP単価が6〜7円とお得な行き先を赤字にしています。メルボルン、ジャカルタ、クアラルンプール、シンガポールがPP単価が安くてお得ですね。10円のPP単価を切っている行き先が多くありますね。
1回で爆発的にPPを獲得できるのがエアチャイナの格安ビジネスの魅力
上述のとおり、エアチャイナの格安ビジネスクラスで1回の旅程で多くのPPを貯めることができます。ANA便でビジネスクラスに乗るとエアチャイナの倍以上の値段になることが多いため、SFC修行ではエアチャイナを混ぜることで効率的にプラチナ会員になることが出来ます。半分以上はANA運航便に乗らなければならないという条件があることは注意してくださいね。
エアチャイナのデメリット
安いのが魅力ですが、良いことばかりではないかもしれません。私が昨年のメルボルン旅行で感じたデメリットを紹介したいと思います。
北京首都国際空港での乗継がある
乗継があるのは当たり前なのかもしれませんし、慣れた方にはチョロいと感じるのかもしれません。しかし私が初めて行った際には、セキュリティチェックで1時間近く並んだ記憶があります。どうやら、国際線乗り継ぎのセキュリティチェックと北京から出国する人のセキュリティチェックが分かれておらず、途中で合流して並ぶためのようです。
本当であればスムーズにセキュリティチェックを終えてラウンジでゆっくりしたいところですが、乗り継ぎ時間が短いとラウンジに行くどころか、搭乗時間に間に合わない可能性もあるかもしれませんので、乗り継ぎ時間には注意が必要です。
遅延理由が分からない
搭乗開始時間に搭乗口に行きましたが、30分以上経っても搭乗手続きが始まりませんでした。遅延の放送があるわけでもなく、中国人も慣れているのか特にスタッフに文句を言うこともなくただ待っているだけでした。(欠航になった場合はきちん対応してくれると思いたいですね)
FlightStatsのレポートによると、エアチャイナの2016年定時運行率は出発66.08%、到着67.27%でスターアライアンスの各航空会社の中ではワースト5に入る定時運行率となっています。
遅延と乗継に時間がかかるのコラボで来てしまったら、乗り換え便の変更をするなどといった対応をしなくてはいけない可能性はありますね。
SKYコインが使えない
ANAのホームページでANA便を予約する際に、航空券の割引に使えるSKYコインですが、エアチャイナでの予約ではもちろん使えません。そのため、エアチャイナでの旅行は全て持ち出しとなります。この点では、ANAマイルを大量に貯めてSKYコイン化すればビジネスクラスにタダで乗ることも夢ではないので、じっくりANAのマイルを貯めていくのも良いかもしれませんね。
エアチャイナの格安ビジネスの有効性
少し不安にさせるようなことを書きましたが、私が昨年行ったメルボルン旅行は、北京からメルボルンへの出発時に搭乗開始予定時間から30分以上経っても何もアナウンスされず・・・って事がありましたが、乗り継ぎ時間も5時間くらいあったのもあり、大きな問題にならずに、空港ではラウンジ利用、飛行機はビジネスクラスでフルフラットでまったりすることが出来ました。
そういったことを踏まえると、
「遅延とセキュリティの混雑を考慮して乗り継ぎ時間に余裕を持って行けば楽しめる!」
・・・かなと思います。
今年もエアチャイナを使った旅行を検討してるところですので、また紹介したいと思います。
コメント
TravelFunさんのブログを参考に、ANA修行でメルボルンに行きました。乗り継ぎの時間が、6時間以上ある便にもかかわらず、天候のため遅れに遅れて乗り遅れました(涙)まさかの北京滞在。中国国際航空の係員の方は、慣れているようで、対応はよかったです。ミールクーポンの配布とホテル提供がありました。次の便の振替手続きも特に待つことなくしてもらいました。
メルボルン滞在が一日減ったことが悲しかったですが、メルボルンの観光もでき、可愛いペンギンも見たし、プレミアムポイントも一気にたまりうれしいです。ビジネスクラスでゆっくり眠ることができ、CAの人のサービスもよかったです。ブログで紹介ありがとうございました。
> jyasminさん
本ブログを参考にしていただいてありがとうございます。
6時間も乗り継ぎ時間があったのに遅れたとは、本当にお疲れ様でした。天候の遅れは予測できないので難しいですよね。ただ航空会社の対応はしっかりしていたようで安心しました。
また、メルボルンも結果的に楽しめたようですし、PPも一気に貯まったということでSFC修行が無事にゴール出来るよう応援していますっ!
楽しく拝見させていただいております。たいへん初歩的な質問で恐縮なのですが、ひとつ質問してもよろしいでしょうか。
ANA-SFCに必要なPPは、半分ANAのPPである必要があるとのこと。
これは、SFC獲得に必要な50000ポイントに対して、ANAのPPが25000ポイントあれば良いという理解でよろしいのでしょうか。
例えば、中国国際航空35,000 + ANA25,000の場合、都合60,000PPになります。この場合、ANAのPPが30,000以上必要という解釈になりますか?
jasmineさん、いつもブログを見ていただきありがとうございます。
SFC取得に必要なプラチナメンバーになるためには50,000プレミアムポイントが必要となり、そのうち25,000プレミアムポイントはANA運航便でなければなりません。jasmineさんの前者の理解で正しいです。ブログを見返すと、分かりづらい部分がありましたので近日中に修正させていただきます。
→2017年8月12日に表現内容を一部修正しました。